竹下 文子 著
町田 尚子 絵
小峰書店 刊

なぜぼくには名前がないんだろう?くつやのねこはレオ、本屋のねこはゲン、やおやのねこはチビ……
みんな名前をつけてもらっている。いいな。ぼくも
名前がほしいな…ぼくはのらねこ?汚いねこ?
だんだん悲しくなる、心にも雨が降る…
ぼくのことを「メロン」と呼んでくれる女の子。
ぼくの目をメロン色のきれいな目といってくれる。
ぼくは名前がほしかったんじゃない、ぼくを呼んでくれる人がほしかったんだ。
メロンと女の子のあたたかい優しい生活がはじまる。
すべてのねこに名前とずっとのお家を……。