かげはら 史帆 著
柏書房 刊
この本の主人公は、誰もが知る天才作曲家ベートーヴェン…ではなく、その秘書を務めていたシンドラーという人物。彼がベートーヴェン没後に刊行した伝記には、巨匠と直に接した人ならではのエピソードがちりばめられ、後世の人々が抱くベートーヴェン像に大きな影響を与えました。しかし近年、これらのエピソードは「捏造」だらけであり、さらにシンドラーが自らに都合のいいように資料を改ざん・破棄していたことも明らかになっています。彼をそのような暴挙に走らせたものは何だったのでしょうか?クライムサスペンスを読むように楽しめる、異色の音楽ノンフィクションです。